皆様
因島のDです。お久しぶりです。
春の陽気に誘われて、春の花を見に、福山市の某県立自然公園を歩きました。
ユキワリイチゲ、イチリンソウ、オオマルバコンロンソウ、トウゴクサバノオ、
アオイスミレ、ユリワサビ、タチネコノメソウ などなど花を満喫しました。
その中で、久しぶりに掲題のキノコに再会しました。
滝への道の数カ所に見られました。(数年前の
最初の出合いは、滝への下りの急坂の
途中でしたが、現在は落石のため不通です。)
他の2種とともに紹介します。
記
1.ベニチャワンタケの一種:以前は、Sarcoscypha coccinea と
S.occidentalisの2種が図鑑に掲載されていましたが、
それらとは異なる事が判明したのでしょう。
いつになったら、種の記載がなされるのでしょうか。
2.3.ヒイロチャワンタケ:photo3上部の、裏面の白が
気になりますが、種名に間違いないでしょうか。
4.5.シロキツネノサカズミモドキ:今が見頃です。
Y.K (火曜日, 23 3月 2021 18:20)
D様
チャワンタケの仲間に詳しくはありませんが感想を書かせてください。
確かにこのヒイロチャワンタケは外側が白いですね。白すぎるという印象です。
日本のきのこでも外側は子実層より幾分淡色としか書かれていません。
外国の文献を見ても同様です。また写真によると腐朽した植物体に発生している
ように見えます。発生時期もヒイロチャワンタケは普通は秋なのにこの早春の時期に
発生しているのでヒイロチャワンタケと異なる可能性があります。でも何である
かはわかりません。
ベニチャワンタケの仲間については、青森県産きのこ図鑑によると、日本産ベニチャワンタケは
Sarcoscypha hodoyae で、ベニチャワンタケモドキは S. kuixoniana として扱うべきとの報告が
あり、と記されてます。今この論文を持ち合わせていないのでよくわかりません。
T.I (火曜日, 23 3月 2021 18:22)
D 様
K 様
ヒイロチャワンタケの外側は、無色で長さ100µmほどの毛状菌糸が立ち上がっていて、これが乾燥すると白っぽく見えますが、写真のきのこは川上さんの言われるように白すぎる気がします。
「ヒイロチャワンタケは菌根菌の可能性が高い」という論文( Hobbie et al. )を添付しました。
子実体に含まれる炭素と窒素の同位体比率が菌根菌と腐生菌で異なるというものですが、アミガサタケなども面白そうな結果が出ています。
普段観察するヒイロチャワンタケは有機物の乏しそうな土壌から発生していて、菌根菌説に納得してしまいます(ですから植物遺体からは発生しません)。
Sarcoscyphaに関しては、Harvard papers in botany No.10に掲載された F.A. Harrington の論文を添付しましたので、参考にして下さい。
Sarcoscypha が顕微鏡観察抜きに同定出来ないことが良く理解できます。
T.D (火曜日, 23 3月 2021 18:23)
K様、I様、 皆様
チャワンタケの仲間についての貴重な情報、感謝です。
ヒイロチャワンタケ?については、確かに、裏面の色・発生場所と時期
から、それとは異なるようですね。
いささか虫のいい話で恐縮ですが、コロナ禍後の総会や勉強会などで、
この仲間も含めて、最新のキノコの研究情報をダイジェストで聞かせて頂ければ有り難いです。
(小生、英語の長論文を読むのは、最近億劫になり、申し訳ありません。)
小生は、もっぱら肉眼観察で、キノコの色々な違いを発見して楽しみたいと思います。
いずれにせよ、本件、有り難うございました。
Y.K (火曜日, 23 3月 2021 18:24)
D様
ヒイロチャワンタケ?の写真を子嚢菌の専門家のH先生に送りましたところすぐさま以下のような返信がありました。
「あ、そうそう。これ、別種なんです。が、名前を忘れました。菌懇会のだれだったかが、調べていたと思いますが、覚えていません。」
ということで、ヒイロチャワンタケとは別種であるようです。さっそく菌類懇話会通信の直近5年くらいを調べてみましたが掲載されていませんでした。
これからの掲載になるのかもしれません。H先生が思い出されるのことを期待します。
T.D (火曜日, 23 3月 2021 18:25)
K様
再度お世話になり有り難うございました。
叉、新情報がありましたらよろしくお願いします。